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ネクサスワールド
以前、ネクサスワールドのコールハース棟に住んでいる方の

お話を聞く機会があった。



ネクサスワールドと言えば磯崎新がプロデュースし、

国内外の著名建築家6名が設計を手がけた集合住宅群である。

昨今のデザイナーズマンションブームの先駆けとも言えるだろう。



その中でも、レム・コールハースが設計した棟は1992年に

建築学会賞も受賞しており、見学者の人気も高いと言う。



何年か前に、雑誌でこの棟の改修工事のことが記事になっていたことがあって、

見た目はカッコイイけれど住むのは大変なのかな?という印象を持っていた。



その辺りを聞いてみると、実際住むのにはとても手間がかかるらしい。

積立金や管理費も高い上、維持費がとてもかかると。


(光熱費がものすごいかかるらしい。

別にレムもそれを承知で設計したわけではないと思うが。)



ただ、内装などもオーナーが変わるたびに

リノベーションをして皆さん住んでいるそうだが、

元のデザインをなるべくいじらないよう気をつけているという。

入居者の方はみんな建物が好きなのだと。



住むためにはエネルギーが必要で手間がかかるけれど

その空間にはその苦労に見合うだけの魅力があるという。



雑誌で見たときは改修の方法が見つからず困っているという話だったが、

最近全体的に大規模な修繕を行なったとのことだった。



車でも、エアコンもろくに効かないような古いものに

手間をかけて大切に乗っている人がたくさんいるが

それと同じようなもので、手間をかける苦労と引き換えに、

得られる豊かさがあるということが、住宅(建築)にも言えると思う。



その一つの例がネクサスワールドのコールハース棟であり、

日本でそれをもっとも端的に表したのが、住吉の長屋だと言っていいと思う。



これは芸術性が高ければ何でも許されるという話ではないが、

「メンテナンス・フリー = 快適な住宅」ではないと云うことを

決して忘れてはならないだろう。
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