ARCHIVES
震度6弱で耐震等級2の建物が倒壊?
昨年秋にこんなニュースが流れた。


「耐震等級2の住宅が震度6弱の揺れで倒壊。」


兵庫にある実験施設、E-ディフェンスで実施された実験で起きた出来事だ。

実験結果としては予想通りだったとのことだが、建築に携わるものにとっては

いささかショッキングなニュースだった。


この件に関しては専門誌で続報が度々伝えられているが、記事を読む限り、

今建っている住宅の多くが震度6弱の地震で倒壊する可能性があるという

わけではなさそうだ。


しかしこのニュースでもっと気になったことがある。

普段我々が耳にする「震度」とは気象庁が定めたものであり、

現行の建築基準法はこの「震度」と連動していないという。


建築基準法の耐震性能は「数百年に1度の大地震でも倒壊しない」ことを

目標としている。

で、この「数百年に1度の大地震」を気象庁の震度階級に当てはめると

なんと震度6弱以下なのだという。


じゃあ震度7の地震がきたら建物は倒壊してしまうのか?と思うが

それも違うという。


国土交通省(旧建設省)による阪神大震災(震度7)の被害状況の調査では、

ピロティがある建物などバランスの悪いものや、施工不良の建物を除けば

現行の耐震基準を満たした建物は大きな被害を受けていないという。


まとめると、

「建築基準法で要求される耐震性能は震度6弱に耐えうる性能だけど、

その性能を満たすように造られた建物は、

実際は震度7でも大きな被害は受けませんよ。

でも極端にバランスが悪かったり、

手抜き工事してたりするとヤバイですよ。」

ってことだろうか。


自分は建築基準法の耐震性能について

「震度5の場合、軽微な損傷で済み、震度6以上の地震でも

人命に関わるような損傷をしない。」

と覚えていた。

同じような覚え方をしていた設計者の方も多いのではないだろうか。


しかしこれは厳密には間違った表現で、

このようにお客さんへ説明してしまうと問題が起こりかねない。

もっと違う説明が求められるだろう。


それにしても「数百年に1度の大地震」が日本全国においてのことなのか、

局所的な地域においてのことなのかわからないが、

その「数百年に1度の大地震」は阪神大震災以降20回も起きている。

もっと違った表現にしないとまずいのではないだろうか・・・。


ガンバレ国交省!!
固定リンク | comments(0) | trackbacks(0) | この記事を編集する
住宅版エコポイント
今設計中の住宅はフラット35の融資を受けるため、

その基準に従って設計を進めている。

その基準は品確法に定められているので品確法の条文とにらめっこ。

建築基準法以上の仕様が求められる上、

条文が難解なのでいつも以上に疲れる。


あるアトリエ系事務所の先生などは、フラット35の融資や

住宅性能評価の取得を建て主さんが希望する場合は、

その仕事は断るという。


まー要するに手間はかかるし、設計の自由度も下がるので

それであれば他を当ってくださいということだ。

もしくはそれに見合う設計料を請求するかのどちらかだろう。


たしかに手間は掛かるが、慣れればそれほど時間が掛からないのではと思ったので

今回は技術料は請求せず、単純に設計図書の作成に掛かる費用だけ請求させていただいた。

何より、新しいことを覚えるのは自分のためでもあるし、

建て主さんが融資を受ける際、金利の優遇措置があるので、

今後こういった案件も増えるであろうと思うからだ。


で、設計を進めている内に今度は住宅版エコポイントについて聞かれた。

調べてみたらこれも品確法と関係があり、

何とか追加の設計費用を計上せず対応できそうだったので

もしご希望なら、それに合わせて設計しますとお答えした。


がんばりまっせー。


ちなみに住宅版エコポイントは新築一軒30万円相当のポイントがもらえるらしい。

これは結構大きい。
固定リンク | comments(0) | trackbacks(0) | この記事を編集する
建築士試験
昨日、姉から建築士試験合格の吉報が。

姉は一緒に働いたことはないけれど、なぜか同業。

小さい頃から周りにも設計事務所で働くひとなんていなかったのに。


今年から建築士試験の内容が変わり、受験者にとっては負担が増えたけれど、

よく頑張って受かったなぁ。


姉は30過ぎてからのチャレンジでかれこれ4,5回目の受験だったけど、

粘り勝ち!


我が事のようにうれしい。
固定リンク | comments(0) | trackbacks(0) | この記事を編集する
齋藤裕
92年のSD 齋藤裕特集号の古本を手に入れた。

しかも格安で。

SD.jpg


こういった雑誌の方が作品集よりも内容が豊富なことが多く

とても貴重。


学生のときに友達とタスコ・ジャパンを見に行ったことを思い出す。


山手線から見えるその建物。

道路からだと近すぎて全体が把握できないので

線路はさんだ反対側のビルに登って見させてもらおうと思い、

頼みに行ったら見事に断られた切ない思い出が・・・。


あの時の方、お仕事中申しわけありませんでした。


そんな思い出とともに

あとでゆっくり見よう。
固定リンク | comments(0) | trackbacks(0) | この記事を編集する
ネクサスワールド
以前、ネクサスワールドのコールハース棟に住んでいる方の

お話を聞く機会があった。



ネクサスワールドと言えば磯崎新がプロデュースし、

国内外の著名建築家6名が設計を手がけた集合住宅群である。

昨今のデザイナーズマンションブームの先駆けとも言えるだろう。



その中でも、レム・コールハースが設計した棟は1992年に

建築学会賞も受賞しており、見学者の人気も高いと言う。



何年か前に、雑誌でこの棟の改修工事のことが記事になっていたことがあって、

見た目はカッコイイけれど住むのは大変なのかな?という印象を持っていた。



その辺りを聞いてみると、実際住むのにはとても手間がかかるらしい。

積立金や管理費も高い上、維持費がとてもかかると。


(光熱費がものすごいかかるらしい。

別にレムもそれを承知で設計したわけではないと思うが。)



ただ、内装などもオーナーが変わるたびに

リノベーションをして皆さん住んでいるそうだが、

元のデザインをなるべくいじらないよう気をつけているという。

入居者の方はみんな建物が好きなのだと。



住むためにはエネルギーが必要で手間がかかるけれど

その空間にはその苦労に見合うだけの魅力があるという。



雑誌で見たときは改修の方法が見つからず困っているという話だったが、

最近全体的に大規模な修繕を行なったとのことだった。



車でも、エアコンもろくに効かないような古いものに

手間をかけて大切に乗っている人がたくさんいるが

それと同じようなもので、手間をかける苦労と引き換えに、

得られる豊かさがあるということが、住宅(建築)にも言えると思う。



その一つの例がネクサスワールドのコールハース棟であり、

日本でそれをもっとも端的に表したのが、住吉の長屋だと言っていいと思う。



これは芸術性が高ければ何でも許されるという話ではないが、

「メンテナンス・フリー = 快適な住宅」ではないと云うことを

決して忘れてはならないだろう。
固定リンク | comments(0) | trackbacks(0) | この記事を編集する